
■ Premium Selection 熊田曜子
旬のアイドルやタレントを精力的に撮り続けている写真家の木村智哉さん。CAPA本誌でかつて約2年間にわたって連載されたグラビア『キムラ写真館D』をご存じの方も多いだろう。その木村さんが構成・演出からカメラまでも回した(撮影を担当した)DVD作品が2本、立て続けにリリースされた。
そのタイトルは『Premium Selection熊田曜子』と『Premium Selection 安田美沙子』。よけいな説明など要らない、まさにトップアイドルの“アイドルDVD”だ。そもそもは、ふたりのトレーディングカード(トレカ)との融合プロジェクトとしてDVDも企画されたという。
「もしかすると、写真のおまけ的にムービーも撮ったと思われるかもしれませんけれど、そうじゃない。一流のメイク、スタイリスト、編集スタッフが集結し、いわゆるイメージビデオとしては十分な時間も費やせた。充分楽しめる作品に仕上がったと自負しています」と、木村さんから直々のコメントも。とはいえ写真(スチル)とムービーでは撮り方など、かなり差があるのでは?
「たしかに、スチルは僕の場合タテ構図がわりと多いのに対してムービーはヨコ構図のみ。しかもカメラを左右に振りながら撮るパンニングや上下に動かしながら狙うティルトといった独自の手法もあり、当然、40分はある全体の流れや構成も重要になる。意識としては、1冊の写真集を作る感覚に近いかもしれません」
あー、なるほど。…となると、木村さんはシナリオを書き、いわゆる絵コンテも用意したのだろうか?
「大がかりなドラマとかじゃありませんからね。イメージビデオでは、ふつうプロット(筋立て、ストーリーの骨格)を簡単にまとめたものを準備するのですが、熊田さんや安田さんは今まで何度かごいっしょさせていただいて撮りやすそうでしたし、お二人とも今までに20作以上のDVDを出していて、何か考えてもどれかに似ちゃうだろうと思って、どちらも特に用意しませんでした。もちろん、撮影までに例えば、『この衣装で、この場所のときは、こう撮ろう』といった構成アイデアは漠然と考えていましたけどね」
なんだか天才肌の木村さんらしいと妙に納得。実際に使用したカメラはソニーのHVR-A1Jと松下のAG-DVX100A各1台の計2台。民生用とはタイムコード表示の有無、マイク端子やファインダーなどの一部仕様が異なり、短編映画、プロモーションビデオなどのプロの映像制作にも用いられている業務用小型カメラだ。
実は、木村さんは知る人ぞ知る映画ファン。『フォトテクニック』誌に映画関連コラムを寄稿していたほどで、さまざまなジャンルのDVDソフトが1日3本以上ずつ増えている(!)状況だとも。それだけに、この2本のソフトにも、ある名作映画へのオマージュが綴られているとかいないとか…。曜子ちゃん、美沙子ちゃんファンだけでなく、映画好きの方もチェックしてみてはいかがだろう。

■ Premium Selection 安田美沙子
熊田曜子、安田美沙子いずれの作品もスチルのショットが大量に盛り込まれているほか、アイドルものとしては前代未聞の写真家本人が撮影のエピソードなどを語る特典映像も加えられている。Amazonをはじめとする有名ネットショッピングサイトで購入可能。税込み価格はどちらも3990円。

「撮影の段取りも自分で組みました。スチルにムービー撮影が加わり、大変さよりも“新鮮さ”が勝って、現場もすごくいい雰囲気で撮ることができました。機会があれば、またムービー作品に挑戦したいですね」と静かに熱く語る木村さん。