Vol.11 超弩級「B0ノビ」で
820万画素をプリント!
さて、今年も残すところあと3日になりました。
このブログもドイツでのW杯取材から帰国直後に開設(だからトップ画像もドイツで撮ってるんです。全然そう見えないですけど)。それから半年、あっという間でした……ってあんまり更新してないからか。

ドイツだかどこだかわからない写真。
そもそもここを始めた目的は、買ったばかりの30Dを今まで使ってきた20Dと比べてみることでした。一見違いのなさそうな両者ですが、使ってみると「さすがキヤノン、改良してきたな」と思うことが多々ありました。そういったユーザーならではの感想をレポートしたかったわけです。
でもやっぱりネタが……。途中からレンズのレポートになったり、流し撮りチャレンジ企画になったりしたのも、致し方なかったわけです(あれはあれでおもしろいといってくださる方もいましたが)。
というわけで2006年を区切りに、一旦このブログは終了することにしました。そして締めの企画は……。
巨大プリント。
やっぱりカメラの話じゃないじゃん。
いえいえ、30Dで撮った画像がどこまできれいに伸びるのかをお見せしたかったんです。最近じゃ弟分のKissデジタルXまで1000万画素を超え、820万画素の30Dや20Dはなんかもう終わりみたいにいわれてますからね。
でも820万画素だってイケるんだぞ! ということを最後に主張したかったわけです。
といっても僕が所有しているプリンタはA3ノビ対応。このサイズなら余裕で伸びちゃうわけです。そこで考えたのが「キヤノンで一番大きなプリンタで伸ばしたらどうだろう」。でもそんなの買えないし、持ってる友達もいない。
ってわけで日頃お世話になっているキヤノンマーケティングジャパン(CMJ)の広報・三浦さんにご相談したところ……。「よっしゃ! ひと肌脱いでやろうじゃないの!」というありがたいお答えが(三浦さんそんなべらんめえ口調じゃないけど)。
そして昨日、東京・品川のキヤノンSタワー(CMJ本社ビル)を訪れました。三浦さんに案内されたのは、大判プリンタ「imagePROGRAF」シリーズがずらりと揃ったフロア。一般に開放しているわけではありませんが、今回は取材ということで特別に使わせていただきました。
もっとも僕の「一番大きいのを使わせてください」というリクエストに、三浦さんは「一番ですと……大き過ぎますよ? 2番目でいいですか?」。
聞けば最上位機種のiPF9000は幅60インチ(=約150センチ!!)まで対応。お値段は199万8000円という、まさにキング・オブ・プリンタなのです。幅150センチということは、長辺は2メートルをオーバー。やってみたいけど確かにちょっとデカ過ぎかも。
というわけで今回は2番目に大きなiPF8000に挑戦しました。2番目といっても最大B0ノビ(幅44インチ=約110センチ!)に対応。これでもデカ過ぎです。本体も幅189.3センチというから、もし我が家に置いたらまさに「プリンタとともに暮らす」生活。気になるお値段は64万8000円ナリ。
プリントするカットは、僕が6月にドイツで撮影したスナップにしました。作業にはPowerMac G5とPhotoshop CSを使用。

久々に触るMacに悪戦苦闘していると……。

フチなしに設定したはずなのに、あらまびっくり。出てきたプリントには変な余白が。しかも片側が極端に空いてるし……。
そこで専門スタッフの方にSOS。聞けばCSにiPF8000のプラグインがインストールされており、それを使えば簡単できれいにフチなしプリントができるとのこと。本来は別々に設定する画像サイズとプリントサイズを、同時に設定することでジャストサイズにプリントできる、ということのようです(解釈間違えてたらすまん。この辺の話、拙者ちと疎いもので……)。
そして再チャレンジ。安倍内閣の再チャレンジ政策は五里霧中といった今日この頃ですが、僕の再チャレンジは見事成功しました。

ほら! フチなしプリントが出てくる出てくる!!
しかも印刷スピードが結構速いんです。興奮しちゃって時間計るの忘れちゃったんだけど、6〜7分といったところでしょうか。もちろん絵柄や紙、印刷画質によって変わりますが(今回はフォト半光沢紙で、画質は3段階の真ん中に設定)、カタログによるとサンプル画像を最高品質でプリントして12.7分だそうです。
また1枚あたりのコストですが、カタログによればフォト光沢紙に最高画質でプリントした場合、インク代だけで227〜241円。もっとも測定用サンプルは余白の多いポスターなので、普通の写真なら紙代を含めて1000円弱ではないか、とのことでした。サイズを考えたら格安ですわな。
しっかしまぁ、出てきたプリントのデカいことデカいこと。

42×60インチ(=約105×約150センチ)だもんな。
デカいのも驚きだけど、もっと驚きなのは解像感の高さ。820万画素をこのサイズでプリントすると、解像度は約55dpi。A4などにプリントするときは300dpiが目安とされていますから、随分低いわけです。
でも補完技術がすばらしいのか全然問題なし。近くでよーく見ればドットや偽色もわかりますが、少し離れて鑑賞するには何ら違和感はありません。むしろ35mmフィルムから銀塩でこのサイズに伸ばしたら、絶対にここまで解像しないだろうというレベルです。12色ものインクを使っているおかげで、階調もとても豊か。
銀塩の引き伸ばしは、いわば“複写”のようなものですから、どうしても画質は劣化します。でもデジタルなら(プリンタの基本性能が高いというのが前提ですが)画像の持っている情報をフルに引き出せるわけです。デジタルのメリットは、プリントにこそあるのだと改めて実感しました。
といいつつ実は僕、今もプライベートの作品はモノクロフィルムで撮影し、自宅で現像やら引き伸ばしやらをしています。でもデジタルがダメというわけではなく、単に今まで撮ってきた作品と“違い”が出るのに抵抗があるだけです。
善し悪しでいえば、もはや覆い焼き・焼き込みが自由自在なデジタルかもしれません。最近事あるごとにデジタルのモノクロプリントを試しているんですが、顔料系プリンタならかなり質の高い(状況によっては銀塩以上の)プリントが仕上がります。
そういえばiPF8000のインクも顔料。となればモノクロに挑戦しないわけにはいかないでしょう。三浦さんも「いいですね。これ、モノクロもきれいに出ますよ」。
そこで選んだカットは古い街並みの路地裏で撮った野良猫。

Photoshop上で色情報を一旦破棄した後、シアンを10、ブルーを5足してやや青みを強調。さらにグレースケールノイズを4%加えて、ざらついたフィルムっぽさを出してみました。
結果は……なかなかいい感じ!
あまりにもいい感じなので、帰宅してから自宅兼事務所の模様替えに使ってみました。

ちょうど引き伸ばし機を置いているところに、自分が撮った写真や海外で買ったポストカードなどをベタベタ貼っていました。引っ越して3年で自然とこうなったわけですが、なんかまとまりがないなぁと思っていたとこだったんです。
そこで……。

じゃーん!
っていうか、やっぱデカっ!!
よく見ると猫のしっぽのあたりに、引き伸ばし機の支柱があります。それが高さ1メートル。さらにその右に赤い箱が写っていますが、4〜5日くらいの旅で使っているスーツケースです。左側にテレビも32インチあります。ね、デカいでしょ。
おかげでだいぶ部屋の印象も変わりました。これだけのプリントが壁を覆って、ちょっと圧迫感はありますが(なにせ部屋が狭いもんで……)、まぁカメラマンの事務所っぽくていいかなと。
というわけで読者の皆さまには半年間にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。
来年はもっとおもしろいことをお伝えすべく、正月は里帰りもせず知恵を絞りたいと思います。キヤノンさんが新しいデジタル一眼出してくれれば、すぐ“ヒトバシラー”になる覚悟はあるんですけどね!
ま、次の企画(と製品)に乞うご期待!!
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以前ここで「絶対に買う」と宣言していたEF70-200ミリF4L IS USM、早速発売当日(11月23日)に買いました。






















えー、1か月以上も更新が滞ってスミマセン……。只今この不肖、学研から10月2日に発売されるムック「EOS Kiss MAGAZINE Vol,1」の編集をやっております。連日その作業であたふたしております。
実は僕もこの本で自ら作例を撮影。KissデジタルXを持って2泊3日で尾道を旅してきました。



先月末、「写真甲子園2006」取材のため北海道へ行ってきました。その模様は9月20日発売のCAPA10月号でご欄いただくとして……。




















CAPA本誌をはじめ、さまざまな雑誌・ウェブ・広告で活躍するライター。近著は『傷だらけの男たち』(講談社刊)。最近は写真家としての活動が増え、信仰の山として知られる山梨・身延山を撮り続けるほか、写真を通した日中交流事業にも参加している。
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